青春の門のドラマがテレビで放映された。
五木寛之の青春の門を読んだのは、多分学生の頃だったと思う。
僕が学生の頃読んでいた本と言えば、人に自慢できるようなものはほとんど無く、その大部分が娯楽小説ばかりだった。
その中でも青春の門は文句なしに面白かったと記憶している。
大竹しのぶが織江役で映画化されたときも、確か見に行っているはずだ。
当時は映画初出演でとても初々しかった大竹しのぶだが、テレビドラマの優しい時間に出演してカウンターの隅にどっしりと腰掛けたその姿は、二の腕から肩にかけてがかなりふくよかになってしまって、否応なしに時の流れを感じさせられる。
その当時読んだ本であと印象に残っているのは麻田哲也の麻雀放浪記、僕が大学に合格して札幌に出てくるとき、バッグの中には着替えの他に麻雀の入門書が一冊入ったきりだった。
当時は坊や哲になった気分で朝から晩まで麻雀を打っていたものである。
その他では遠藤周作の狐狸庵閑話、この本がまた僕の人生に大きな影響を与えたような気がする。
この本はただのエッセイ集で、とても人の人生に影響を与えるような内容のものではない。
でも僕は、このエッセイの中に時々出てくる日本的な侘び寂びの世界がすっかり気に入ってしまい、その影響で大学では造園学を専攻し、そして就職し、現在の職場にいるのである。
自分の人生を変えた一冊が「狐狸庵閑話」というのも、何だかとても情けない気がする。
まあ単純に、他から影響を受けやすい性格といってしまえばそれまでなのだが。
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