我が家にとって3回目の屋久島は、2週間を越える長期滞在。
その長旅のダイジェストとして、まずは今回の旅で一番の目的だったゼロ to ゼロ(海から登り始めて海まで下りる)の完全縦走。
果たして自分にそれだけの体力があるのか?
還暦を過ぎた自分を試す意味でも、ちょっとしたチャレンジでした。
最初の写真は、お約束みたいなもんで縄文杉です。(笑)
スタートは楠川歩道から登り始めます。
キャンプ場のお兄ちゃんに「楠川歩道から登る」と言ったら、「そんな人もいるんだ」と呆れられました。
道路を白く染めているのは多分、アブラギリの花だと思います。
道路の上や苔の上、何度もこんな風景を見かけました。
楠川歩道から白谷雲水峡へ入ります。
4年前に初めて屋久島を訪れた時、最初に歩いたのがこの白谷雲水峡。
その時は早朝で薄暗く、おまけに雨も降っていたので、暗い記憶しか無し。
今回ようやく、明るい雲水峡を見られました。
この日は便所臭い白谷小屋に宿泊。
2日目は天気予報が外れて、時々雨の降る生憎の天気。
そんな日でも縄文杉を目指すツアーが続々とやって来ます。
重たいザックを背負った私達は、そんなツアー客に次々に追い越されます。(^_^;
4年前に続いて、雨のトロッコ道でした。
有名なウィルソンハート。
これって、ウィルソン株の中の限られた一点から見ないと、ハートの形には見えないのです。
お節介なガイドから、「ほら、ここから写真を撮りなさい」と言われなければ、この写真は撮れなかったかも。(^_^;
撮影の順番待ちができている縄文杉はササッと通り過ぎて、先へと進みます。
縄文杉よりももっと素適な被写体はいくらでもあるのです。
GWの縄文杉は凄い人出だったみたいです。
島の人達が誰でも口にするのが、「GWの混雑は酷すぎる」と言うことです。
GWに屋久島に行くのは絶対に避けるべきです。
GWにしか休みが取れないと言うのならば、屋久島以外の場所に行った方が良いと思います。
この日の宿泊は新高塚小屋。
これで屋久島の山小屋には全て泊まったことになります。
それを狙ってた訳じゃないですけど、何となく嬉しいです。(笑)
新高塚小屋では面白いネタがありましたが、長くなるのでそのうちにホームページにアップします。
北海道の春紅葉も美しいですが、この常緑樹の新緑もなかなか綺麗でした。
3日目は永田岳を越えて鹿之沢小屋を目指します。
この日も天気はぱっとせず。
雨こそ降らないものの、ガスがかかってせっかくの山岳展望が殆ど楽しめず。
まあ、その代わりに靄のかかった幻想的な森の風景はたっぷりと楽しめました。(笑)
下るにしたがってガスが晴れて、鹿之沢小屋まで下りてくると完全な青空。
もっと早くに晴れてくれれば、宮之浦岳まで足を伸ばせたのに、悔しいです。
屋久島最高峰の宮之浦岳に登らなければ、屋久島完全縦走とは言えませんが、それよりも問題は翌日の永田歩道を無事に降りられるかどうか。
山小屋で一緒になった人に「最後は永田歩道を降りる」と言うと、必ず驚かれました。
おまけに、山に入る前に聞いた天気予報では、最終日の天気が一番崩れるはず。
永田岳から鹿之沢小屋に下りる登山道は、途中で流出して無くなっている場所もあり、背負っていた荷物を下ろして何とかそこを通過した有様。
鹿之沢小屋から永田集落までの登山道はもっと整備されていないとの話し。
マジで心配になってきます。
そして最終日、先に山小屋を出て永田岳に登り返す予定だった6人パーティーが、私達が山小屋を出ようとしていた時に降りてきて、「風が強くて山越えは無理、私達は花山歩道を降ります」とのこと。
花山歩道は3年前、私達が2回目の屋久島の時に下りに使った道。
彼らは今日のフェリーで帰る予定だそうだが、何とか間に合うだろう。
風は強いけれど雨はまだそれ程強くはなく、心配していた途中の沢越えも無事に通過。
世界自然遺産登録区域の真っ直中を通る永田歩道。
その景観は素晴らしく、霧に包まれた森からは今にもシシガミが姿を現しそうです。
心配していたほど道は荒れていませんが、やっぱり歩く人は少なそうな登山道です。
ただ、目印のテープが沢山付いているので、注意深く歩いていれば道に迷うことはないでしょう。
ただ、慣れていない人ならば道に迷いそうなポイントは沢山ありました。
そうして途中からは土砂降りの雨。
北海道の雨の降り方とは全く違います。
滝のような雨とは、この様な雨の降り方を現すのだと、初めて理解できました。
この雨が夜中から降っていれば、途中の沢は増水して渡れなかったと思います。
そうして土砂降りの雨の中、永田の集落まで無事に降りてきました。
達成感よりも安堵感の方が大きかったですね。
前日も雨の中、永田歩道を降りてきた方がいたみたいで、その人は途中で道に迷ってそこで財布を無くして無一文。
警察に転がり込んで、おまわりさんからお金を貸してもらったりと、色々とあったようです。
鹿之沢小屋で一緒だった男性二人組も、山越えを諦めて私達の後から永田歩道を降りてきましたが、着替えも含めて全てずぶ濡れ、おまけにそこら中にヤマビルをくっつけた状態で、私達の泊まっていた宿に転がり込んできました。
それと比べたら私達は、ヤマビルも途中で全て取り除いて、ずぶ濡れになりながらも着替え等大事なものはドライな状態、スーパーでビールを買ってから宿入りしたので、かなり余裕はあったかも。(笑)
ただ、部屋に入ってから気が付くと、かみさんの手首と、私の耳たぶから血がタラタラ。
ヒルに吸われると、血が止まらなくなるんですよね。
たっぷりと血を吸ったヒルは途中で落ちたのでしょうが、私達の血をたっぷりと吸って膨らんだヒルを見なかったのだけは幸いでした。
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