熊野古道を歩き、屋久島を歩き、白神山地を歩き、残るは知床のみ。
今回ようやく知床を縦走を果たし、私の秘めた目標だった世界遺産を歩く旅が完結しました。
途中で富士山が追加になりましたが、富士山は登る山ではなくて眺める山ですから、これは省きます。(笑)
それにしても、最後まで残った知床は、やっぱり厳しかったですね。
普通の方は1泊で縦走するところを私達は2泊かけましたが、それでも体力の限界を感じました。
8月1日から運行が始まったカムイワッカ湯の滝までのシャトルバスを利用し、硫黄山登山口から縦走スタートです。
森の中の蒸し暑さ、新噴火口付近の強烈な陽射し。
でも、途中から曇ってくれたおかげで少し救われました。
その後もスリリングな涸れ沢登りにザレ場の急登と体力が奪われていきます。
途中からはガスも濃くなり、「これでは硫黄山山頂はパスだね」と言っていたところ、山頂直前でガスが晴れてこの景色が。
「ガスに包まれた山頂に登る意味は無い」
そんな言い訳はできなくなりましたが、私達に山頂アタックの体力は残っていなくて、真っ直ぐに第一火口のテン場を目指す事に。
直ぐ目の前を雪渓の雪解け水が流れているし、後ろにはお花畑が広がっているし、硫黄山の外輪山に取り囲まれた最高のテン場でした。
ただ、夜は曇ってしまって星は見えず。
硫黄山登山口からは、私より年上そうな男性2人連れと、奥さんが乳飲み子を抱っこした外人夫婦の2組が登っていましたが、彼らは1泊縦走なのでもう一つ先のテン場まで行ったようです。
それにしても、3~4ヶ月の赤ちゃんを連れて知床連山を縦走するなんて、信じられないです。
2日目はまず、テン場から見えていた外輪山を歩きます。
私が今回の縦走で一番心配していた箇所ですが、かみさんは顔が引き攣っていました。
そこを何とかクリアした後は、今度はハイマツ地獄。
さすがに知床は、簡単には歩かせてくれません。
天気も曇りがちで、オホーツク海と太平洋を両側に眺めながらの縦走気分は味わえず。
おまけに、途中から風も強くなってきました。
他の花は結構咲いてましたが、何せ大雪を縦走した後なので、感動は少ないです。
もしも大雪を縦走していなければ、もっと花の写真を撮りまくっていたかも。(笑)
2泊目のテン場は三ツ峰キャンプ地。
窪地になっているので風は少し弱まりますが、上空を猛烈な早さで雲が流れていきます。
この青空は嘘です。(笑)
って言うか、一瞬だけの青空でした。
この後数分で辺りは真っ白に。
翌朝は何と雨!
登る前の天気予報では、この日の天気が一番良くなるはずだったのに。
雨は何とか上がりましたが、羅臼岳にも登らずに一気に下山。
もうちょっとで山頂だけは見えそうでしたが、この後は再びガスに包まれてしまいました。
下山途中に、大雪縦走の時に2日間同じテン場に泊まっていた女性とバッタリ会ったのには本当にビックリしました。
縦走後に泊まった清里のキャンプ場から眺めた、朝焼けに染まる知床連山。
下山途中にすれ違った彼女は、この山の何処かで朝を迎えているのだと思うと、本当に羨ましかったです。
本当は今回、かみさんが「知床は嫌だ」と言うので、私一人で縦走するつもりでした。
それが、直前になって「やっぱり私も付いていく」と言い始めて、結局は何時も通りに二人で縦走。
結果的に良かったと思います。
私の登山スキルでは、単独での知床縦走はリスクが大きすぎますね。
でも、せっかくだからクマさんの姿くらい見たかったな~。
糞はそこら中に落ちていましたけどね。
この写真、直ぐ手前に熊の糞が転がっているの分かりますか?(笑)
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