ばんえい競馬が廃止されるそうである。
道外の方は、ばんえい競馬と聞いても「何?それ?」てところだろうが、最高1トンにもなる重たいソリを牽いて走る競馬のことである。
私は普通の競馬にもそれほど興味があるわけでもないし、ましてばんえい競馬は見たことも無いので、
そのニュースを聞いてもそれほど驚きもしなかった。
学生時代に札幌競馬場に遊びに行った時、1レース終えるごとにGパンのポケットに入れてあるお金が増え続けるものだから、
「俺って競馬の才能があったんだ」と有頂天になっていた。
お札でパンパンに膨らんだGパンのポケットは、最終レースが終わった瞬間には小銭が少し残るだけの状態になってしまったが、もしもこの時、
最終レースも予想が的中してポケットにお金が入りきらない状態になっていたとしたら、その後の私の人生も少し変わっていたかもしれない。
今は馬券を買うことも殆んど無くなってしまったけれど、競馬とは別の部分でばんえい競馬の廃止のことがちょっと気になった。
ばんえい競馬は、農耕馬を使ったお祭りからはじまっている。
私が子供の頃も、実家ではまだ馬を飼っていて農作業で活躍していた。
雪がどっさりと積もった冬の朝、牛乳缶を乗せた馬そりを必死になって引っ張る馬。その体表からモクモクと湧き上がる白い湯気。
馬を励ますかのように鞭を振り下ろす父親の姿。
そんなシーンが、今でもはっきりと記憶に残っている。
そんな、北海道の開拓時代から活躍していた北海道産の農耕馬「道産子」も、トラクターが普及するにつれてその働き場所が無くなり、
今ではペットのように飼われているのが殆んどだろう。
でも道産子の本来の姿は、都会の舗装された道路を観光馬車を引きながら歩く姿では無く、
私の記憶の中にも残っているような体中から湯気を立てながら働いている姿である。
ばんえい競馬が廃止されれば、そんな道産子の姿ももう見られなくなってしまう。
そう思っていたのだけれど、調べてみると現在のばんえい競馬で走っている馬は、
道産子ではなくてペルシュロンというフランス原産の馬なのだそうである。
ちょっとガッカリしたけれど、それでもこのような競馬は世界でも北海道だけでしか行なわれていない。
2004年には北海道遺産にも登録されている。
このような立派な文化遺産が、自治体の財政上の問題だけで失われてしまうのはどうしても納得できない。
公営ギャンブルとしての位置付けが問題なのだろうが、それは些細なことだと思う。
観光的な価値ももっと見直されるべきである。
馬が力一杯働く姿を見られるばんえい競馬、もしも存続することができるのならば、私も一度は見に行きたいと考えている。
ヒデさん こんばんは
>学生時代に札幌競馬場に遊びに行った時
そのころは成人であっても学生は馬券買っちゃだめじゃなかったのではないでしょうか?
おおたにさん、こんにちは。
そんな法律があったとは知りませんでした。
もし当時知っていたとしても、気にしなかったでしょうが。(^_^;