司馬遼太郎のおやじ小説(おやしが好んで読む小説)的時代物もほとんど読み尽くし、たまには違う作家でもと村上春樹を3作ほど読んでみたけれど好みに合わず、通勤時の電車の中で読む本を探して本屋をぶらついていた時に、何気なく手にとったのがこの本。
何の予備知識もなく、偶然に出会ったにしてはとても面白い本でした。
太陽は地球の周りを回っていると信じられていた時代から始まって、ビッグバンは本当に起こったのだと証明されるまでの経過が描かれていますが、科学とはこうして発展してきたのだと言うことが良く理解できます。
空間と時間はビッグバンの瞬間に作られ、そうして今の宇宙が出来上がったと言われても、それを本当に理解するのは難しいです。
ニュートンなどの科学雑誌で、美しいイラスト入りでビッグバンの説明が書かれていたりしますが、子供が絵本を読むのと同じで表面的な知識しか得られません。
ビッグバンのことを知ってはいても、私の理解は地球が宇宙の中心であると信じられていた時代の人達と大して変わりは無いかもしれません。
それでもこの本を読んでいくうちに、今の宇宙はビッグバンによって作られたのだと実感できるようになりました。
科学の知識が無くても本の内容は十分に理解できます。
後半の方で素粒子物理学の話しが出てきたりすると理解の範疇を越えてしまいますが、それはこの本の主題とは関係はないので、気にしなくても大丈夫でしょう。(笑)
科学史のノンフィクション小説としてはお勧めの一冊です。
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