モンスターカレンダー

« 2008年11月 »
123456789101112131415161718192021222324252627282930

清流日本一

| コメント(4) | トラックバック(0)

081126-1
先日の北海道新聞に、07年度の全国の河川水質調査の結果、徳志別川下流、阿寒川下流、 尻別川下流の道内3河川が水質一位になったとの記事が載っていた。
これがいわゆる清流日本一である。
しかし、徳志別川のことは知らないけれど、阿寒川下流は酪農地帯の中を流れていて牛の糞尿で汚れているイメージがあるし、 尻別川はそこをカヌーで下っていても清流の雰囲気は全く感じられない。
私の中で清流日本一と聞いてまず最初に浮かんでくるのは、歴舟川である。
最近は鵡川、沙流川などの名前も聞くようになってきた。
しかし、これらの川は最上流部まで遡れば確かに清流と言えるけれど、中流域から下では全くその面影も無くなってしまう。

鵡川上流
081126-2

鵡川中流
081126-3

沙流川上流
081126-4

昔は清流日本一の常連だった歴舟川も、最近はあまり名前を聞かなくなってしまった。
歴舟川の水が濁ってきて、鵡川の水が澄んできたとはとても思えない。
ところで今回の調査結果は環境省から発表されたもので、これとは別に国土交通省からも河川の水質調査結果が毎年発表されている。
調べてみたところ、国土交通省の調査結果について昭和62年からのベスト5河川のデータが見つかった。
見慣れた川の名前が並んでいるけれど、なぜかその中には歴舟川の名前が見当たらない。
最初は何でだろうと不思議に思えたが、よく考えてみれば国土交通省の調査は一級河川だけに限られているので、 二級河川の歴舟川はこの調査に含まれるわけないのである。

一方の環境省の調査は二級河川まで含まれているので、道内の調査地点もかなりの数に上っており、あまり馴染みのない川がランクに入ってくるのもこのためのようだ。
歴舟川は1987年から1993年までに5回ほど、この環境省(当時は環境庁)調査で第一位となっていて、 私の頭の中での歴舟川=清流日本一の図式はこの頃に出来上がったものと思われる。
もしかすると当時と調査内容が変わったのかもしれないが、歴舟川の名前があまり出てこなくなったのは寂しい限りである。

この水質調査のランキングにはどちらもBOD(生物化学的酸素要求量)の値によっている。
要は、水中の有機物の量が少ないほど水質が良いと言うことになるらしいが、どうも実際の感覚とは、ずれているような気がする。
特に、調査地点が細かく示されている環境省と比べて、国土交通省の調査結果は川の何処で調査したものかもはっきりとせず、 怪しいものに思えてしまう。
もっとも、環境省の調査で一位になっている尻別川も、その調査地点はどちらかと言えば下流域に属する蘭越町付近のようで、 そこが日本一の清流と言われてもどうも納得できない。

国土交通省であろうと環境省であろうと、どちらかの調査で一位にさえなれば、日本一の清流を名乗れる権利は得られる。
調査時の状況によって大きく変動してしまうような数値にそれほどこだわることもないのだが、倶知安や蘭越が町の宣伝の中に 「清流日本一の尻別川が流れ」のフレーズを多く取り入れているのを見ていると、 観光客が北海道の川に対して間違ったイメージを持ってしまいそうで心配になってくる。
北海道の本当の清流はこんなものでは無いのである。
などと言ってしまうと尻別川に申し訳ない気もする。
もしかすると、周辺の畑の泥などが流れ込むので川が濁っているだけであって、 本当の汚れの元である有機物は少ないと言うのが尻別川の真の姿なのかもしれない。
でも、私にとっての清流は、やっぱり澄んだ水の流れる川である。
清流のランキングを決める指標の一つとして水の透明度も加えた方が実際のイメージにあったランキングになりそうな気がする。
そうして、輝かしい清流日本一の座につくのは、やっぱり歴舟川をおいて他にはないのである。

081126-5

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://blog.hokkaicamp.com/blog.hokkaicamp.com/mt5/mt-tb.cgi/710

コメント(4)

なにか・・・・・
コメントを書こうかと思いましたが、・・・

「同感」としか言いようがありませんね。

kudopapa、こんにちは。

コメントありがとうございます。
何はともあれ、水の綺麗な川でカヌーに乗ったら幸せな気持ちになれますね。

偶然見つけたブログですが、あなたの意見に大賛成です。
私は転勤族なのも重なり、フライフィッシングで全道の川を釣り歩いています。
川周辺の環境の事から察するあなたの意見も納得いきます。
尻別川は最上流から下流まで良く知っています。
歴舟川も上流から下流まで良く知っています。
今回の徳志別川・日高幌別川も行った事があります。
調査方法にも疑問がもたれますし、利権も確実に関わっています。
私達の思っている清流は、いかに人の手が入っていないか
いかに原始の状態に近いかが一番なんです!

Azuさん、はじめまして。

釣りをされている方だと、各地の川の状況を良くご存じですよね
カヌーに乗っていると、たまに川の中を泳ぐことにもなるので、水の透明度には敏感になってしまいます。

名前が上がっている他にも清流と呼べる川はまだ沢山ありますし、そんな川をこれからも大切にしていきたいですね。

コメントする

最近のコメント

ふたご座流星群2015
L いしやま 12/17
L ヒデ 12/17
L いしやま 12/17
L ヒデ 12/17
L いしやま 12/17

クリスマスリース
L 頑固爺さん 11/30
L ヒデ 11/30
L ぽんた 12/05
L ヒデ 12/06
L 頑爺 12/06

何をはじめる気?
L Yamada 11/08
L ヒデ 11/08
L MK 11/18
L ヒデ 11/18
L 頑固爺さん 11/23
L ヒデ 11/23

黄金色に染まる十勝へ
L さとう 11/05
L ヒデ 11/06

錦秋のトナシベツ渓谷を下る
L 匿名 10/17
L ヒデ 10/18

アーカイブ