見聞ログ

ちょっとした興味で始めたホームページが、ここまで長く続くとは思ってもいませんでしたし、ホームページを公開したことで、それまでとは別の世界が私の前に広がってきました。
その中でも一番良かったことは、やっぱり、多くの方々と知り合いになれた事です。
その知り合いの輪を通じて現在のカヌークラブに入ることになったり、メールマガジンの共同発行者になることを誘われたりと、常に何か新しい刺激を受け続けられた気がします。

親切な好意に、ただ甘えさせてもらったこともあります。
「良い写真を撮ってください」と一眼レフカメラを譲り受けたり、壊れたテントの部品を無償で提供していただいたりと、こんなに親切にしてもらって良いのだろうかと、逆に戸惑ってしまうほどでした。
その好意には、ホームページの更新を続けることで応えるしか、私のできることはありませんでした。

別れもありました。
メルマガの共同発行者の方や、見聞録を熱心に応援して下さっていた方の突然の死。
一度も会う機会の無かった方と何度かお会いしたことのある方の違いはありましたが、何れの時もその死を知ったのは、暫く時間が経ってからのことでした。
ネット上だけでの付き合いの儚さを思い知りましたが、後日、亡くなられた方の奥様と一緒にキャンプをする機会を持てたのは、私にとって嬉しい出来事の一つでした。

そう言えば、ホームページ公開後の大きな変化の一つは、グループでのキャンプに慣れたことかも知れません。
以前の我が家のスタイルからは考えられないことでしたが、知り合いが増えてくると、グループキャンプを頑なに拒み続けることもできません。
最初は戸惑いもあったものの、常にマイペースでキャンプを楽しむ要領が分かれば、グループキャンプもそれほど苦には感じなくなってきました。
でもやっぱり、誰もいない場所でのキャンプが一番落ち着けることに変わりはありません。

ホームページを公開することは、決して良い事ばかりでもないです。
某掲示板からの執拗な嫌がらせ。
ネット社会の危うさと、その中でしか存在できないような弱い人間が沢山いると言う現実を、散々に見せ付けられた気がします。
悪意を持つ人間にまで自分のサイトを良いように利用されていることが、堪らなく嫌になりましたが、これだけは我慢するしか無いのでしょう。
仲間内だけの閉鎖的なサイトにするのは簡単ですが、それではホームページを公開する楽しみが何も無くなってしまいます。

ネットの世界も大きく変わりました。
通信速度、パソコンの性能、次々に出てくる新しい技術。
取り残されないように、それに付いて行くのも大変です。
パソコン通信が廃れて、Webの掲示板がそれに代わった。今やその掲示板も利用者が減り、ネットでのコミュニケーション手段はblogやSNSへと移ってきています。

ホームページへのアクセス数は、インターネットの普及とともに毎年増え続けたものの、2005年をピークに減少にに転じて、去年からは横這いの状態が続いています。
blogの普及によって個人でホームページを作る人が一気に増え、アクセスが分散してきた事もその一因なのでしょうが、検索エンジンの性能が良くなった事の影響も大きい気がします。
以前は、自分の知りたい情報に行き着くためには、様々なホームページを捜し歩く必要がありましたが、今は関連するキーワードを入力するだけで、ほぼ確実に自分の望む情報を得ることができます。
その情報さえ得てしまえば、そのページをどんな人が作っているかなんて大して関係は無い。
そうなると、個人のホームページは情報の一片に過ぎなくなり、トップページから訪れた人が情報にたどり着きやすいようにと、一生懸命ページを作りこむ必要も無くなります。

こんな変化を見続けてくると、そろそろ個人のホームページの役割も終えたような気がしてきます。
でも、こうして北海道キャンプ場見聞録を12年以上も続けてきたことによって、大げさに言えば自分の生き方さえもが変わってしまったかも知れません。
ここまで来てしまったら、今更もう後に引くこともできず、自分が変わり続けるままに見聞録と一緒に歩んでいくしかないと、改めて心に決めるのであります。