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深海のYrr(イール)

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080710
たまにベストセラー小説でも読んでみようと本屋の書棚の前で手にしたのがこの「深海のYrr(イール)」である。
地球科学的にも結構興味深く読めたし、面白い小説だった。
そしてこの小説はハリウッドで映画化されるそうだ。
スペクタクル映画として、小説同様に面白いものになりそうで期待できる。
ただ、これを読みながらどうも引っかかる部分があった。

ストーリー展開がいかにも映画向きで、描写の仕方も目の前にスクリーン上のシーンが浮かんでくるほどにリアルなのである。
だから面白いと言えるのかもしれないが、私の場合「これならばわざわざ長い時間をかけて本を読まなくても、 2時間ちょっとの映画を見た方が手っ取り早い」と考えてしまうのだ。
本の面白さと映画の面白さは本来別物だと思うのだけれど、この「深海のYrr(イール)」が映画化されたとしたら、 両者は全く同じものになってしまう気がする。
自分の読んだ小説が映画化されて、その映画を見たところ、自分の持っていたイメージと全然違っていた、なんて経験をした人も多いだろう。
この小説ではそれは有り得なくて、小説で読んだとおりのシーンがスクリーンに展開されるだろう。
そのことが引っかかるのだ。

小説は、それを読む人が自分の頭の中に独自の世界をそれぞれで描き出している。
一方の映画は、それを見ている皆が同じ世界を共有する。
最近の映画はCG技術の発達のおかげで、どんなに現実離れしたシーンであってもそれなりに描き出すことが出来る。
そのために、小説の書き手も頭の中にCGの合成シーンを思い浮かべながら物語を書いているのかもしれない。
作者がそうなら、読者も同じシーンを思い浮かべながら小説を読んでいる。
そうして、映画と小説の世界が一致してしまうのだ。
これならば、映画化された作品を見てがっかりすることも無いのだろうけれど、本を読む楽しさが無くなってしまう。
原作の小説とそれを映画化したものが同時に公開されていたとしたら、読んでから見るか、見てから読むか。
私の場合はどちらでもなくて、「見るだけ」を選択することになるだろう。
何て言いながら、「深海のYrr(イール)」が映画化された時には、「ダ・ヴィンチ・コード」の原作を読んでから映画を見た時のように、 結局見てしまうことになりそうだ。

(これを読んで映画だけ見ようと考えた方へ)
本当は小説でなければ分からない面白さも沢山あるんですよ~。(笑)

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