正月に実家で、帯広信用金庫が出版している郷土文庫シリーズ「十勝人 心の旅」を読みました。
この本には十勝管内各町村の開拓時代の様々なエピソードなどが書かれていて、その当時の先人達の苦労を知ることができます。
ちょうど毎日の通勤読書では司馬遼太郎「坂の上の雲」の日露戦争の部分を読んでいるところだったので、その時代背景もほぼ同じく、
余計に興味を持って読んでいました。
「坂の上の雲」では、真冬の凍て付いた満州の大地で、ろくな防寒装備も無いままに行軍を続け、
そして虫けらのように死んでいく日本兵の姿に、何が彼らをここまで駆り立てていたのか不思議に思えてしまいます。
「十勝人 心の旅」に描かれている、全く粗末な装備に隙間風が吹き抜ける掘っ立て小屋、
まともな食べ物も無いような状況で北海道の厳しい冬を乗り越え、原生林が生い茂る原野をひたすらに開拓し続けた先人達の姿。
完全装備に身を包んで、せいぜい1泊の雪中キャンプをするだけが精一杯の自分のことを考えると、
ますます当時の人々のパワーと言うか我慢強さに圧倒されてしまいます。
でもこれは遠い過去の話ではなく、考えてみれば私の僅か2世代前の話しなのです。
「十勝人 心の旅」に描かれているのは、まさに私の祖父が今の土地に入植した頃の話しなのです。
今頃になってこの本の内容に驚いているのならば、祖父が生きている間にもっと開拓当初の話しを聞いておけば良かったと後悔してしまいます。
それにしても、その時代の人々が持っていて今の私達から失われたものって、一体何なのでしょう?
その同じものを今の自分も持っていたとしたら、多分どんなことでも出来てしまいそうな気がします。
「それが何か分からないけれど、同じものを自分も持ちたいな~」と言うのが、この本を読んだ私の感想でした。
ちなみに帯広しんきんの郷土文庫シリーズでは、十勝・
ふるさと紀行の各シリーズもお勧めです。
十勝の自然、動植物、山登りに川下りにそしてキャンプ、十勝に関するアウトドアの読み物としては秀逸なものと言えるでしょう。
私は5冊ほど手に入れることが出来ましたが、出来れば全シリーズを揃えたいです。
非売品なのですが、在庫があれば貰えるかな~。
義兄が帯広信金に勤めているので、今度聞いてみます。
本年もよろしく。
帯広信金の冊子としては、妻の実家で見つけた豆本がありましたが、よいものを出しているのですね。
なまらerにも一人行員がいるので、私も在庫確かめてみます。
おっしゃる通り、祖父母や父母、叔父叔母など先人の話を聞くと貴重な話が随分とあり、才能があるならば聞き書きとして残しておきたいと常に思いつつ、果たされないままに過ぎていきます。
コーさん、こんにちは。
なまらer行員の方が教えてくれたところでは、残念ながら在庫がほとんど無いみたいで、行員の方でも入手困難なようです。
私の場合、最近になってようやく昔の話しに興味を持つようになってきたので、もっと早くから話しを聞いておけば良かったと後悔しています。
昔にチラッと聞いた叔母の話で、「清水町から日高町まで馬そりで日高山脈を越えて嫁入りした」なんてのも有りましたが、信じられないですよね~。(^_^;