夕陽を目指して尻別川を下る

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尻別川の河口で夕陽を見る。
Nモトさんと「尻別川を蘭越から河口まで下ってみよう」との話をしていて、ただ下るだけでは面白くないので、それを目標とすることにしてみました。
何せ、尻別川の下流部は瀬があるわけでもなく、そして下る距離は約23キロもあるので、何かご褒美がないと気分も盛り上がりません。
天気が良くて、向かい風とならないこと。
11日の土曜日がちょうどその条件に合いそうなので、前日の金曜日に計画決行を決めました。
かみさんからはそっぽを向かれ、そんな急な話に他に付き合ってくれる人もいなくて、二人だけの川下りです。

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車を回した時の尻別川の河口部の様子。
国道229号の橋から、この川の様子は何度も見ていますが、余程の物好きでないとこれを見てここを下りたいとは思わないでしょうね。(笑)

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この日の日没時間は午後5時57分。
それに合わせて午後1時前に蘭越町の豊国橋をスタート。

ところで、この橋脚に表示されている水位、2(注意)、3(警戒)、4(危険)と色分けされているのですが、2と3の間隔がやたらに狭いような気がします。
国土交通省のサイトで調べてみましたが注意は20センチ、警戒は30センチしかありません。
平常水位から危険水位に変わるまで50センチしかないって、何だか変な気がしませんか?(笑)

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今回下る区間に瀬はあまり無いだろうと思ってましたが、豊国橋から次の栄橋の下流まで、分流は多いし瀬は結構あるし、意外でした。

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これは順調に下れるかなと思っていたら、その先で待っていたのは鏡のような水面。
まあ、それだけ流れてないってことですよね。
スタート時には嫌な雲が上空に広がっていたのが、次第に青空が広がり、それが水面に写り込んで、これはこれで良いのですが。

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この辺り、山が間近に迫って素晴らしいロケーションです。
流れがないのも、あまり気になりません。

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この辺りで目名川が合流するのですが、そこには鮭が群れていて、時々水面から飛び上がっていました。
その瞬間は写真に撮れなかったので、最後に動画を載せておきます。

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今回はソロだったので、もしものときに備えてダブルパドルを用意してありました。
20年近く前にカヌークラブのオークションで安く手に入れたものですが、これまで一度も使ったことがありません。
漕ぐ度にパドルから水が滴って、カヌーの中が濡れてしまうのが嫌だったのです。
でも、ダブルパドルだとこんなに楽に漕げるのだと、思い知りました。
スピードも出て、シングルパドルだとSUPのNモトさんにおいていかれるのに、ダブルパドルだと同じペースで下れました。

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それにしても流れがなくなってからは、余計に尻別川の大きさを感じてしまいます。
その大きさに呆然とするNモトさんって感じの写真です。(笑)

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最後の橋となる初田橋。
水田の稲わらを燃やす煙で、風景が霞んでいます。

川の流れにプラスして漕ぐスピードを加えれば、時速6キロくらいにはなるだろうから、河口まで4時間あれば楽勝だろうと考えていました。
それが予想以上に川の流れがなく、平均すると時速5キロも出ていなかったようです。
このままでは河口に着く頃には日が沈んでしまうと思って、この辺りではもうガチ漕ぎになっていました。

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河口までの間は、西側に山があるのですでに日は沈みかけています。

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最後のガチ漕ぎ。
国道の橋をくぐれば、その先はもう河口です。

そうして午後5時32分に河口に着いた時のが、一番最初の写真です。
水平線に雲がかかっていたので、本当にギリギリでした。

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本来の日の入りの時間では、こんな風景しか見られないところでした。

ちょっとした時間の読み間違いはありましたが、事前に調べておいたとおりに河口からは海に沈む夕日も見られたし、途中の風も殆どが追い風だったし、最高の条件で川下りを楽しめました。
川下り後の感動と充実感は、これまでで一番だったかもしれません。

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そして川下り後は今回も車中泊。
場所は、尻別川の河川敷にある蘭越町のランラン公園。
虫の声と川のせせらぎを子守唄に、ぐっすりと眠ることができました。